金星

金星の大気成分のヒミツ 地球と比べるともの凄い環境にある理由

明け方の東の空、夕方の西の空に、ひときわ明るく輝く星「金星」。

古くから、宵の明星、暁の明星などと呼ばれ、親しまれています。

金星は、太陽系の中では火星とならんで地球から近く、外見も地球に似ているので、「もしかして地球と似た環境なのでは?」と期待してしまいます。

金星にも生き物が生きていけるような、大気はあるのでしょうか。

金星の大気はほとんどが二酸化炭素

金星の大気は、96%が二酸化炭素で、あとは微量の窒素などで組成されています。地球の大気は、窒素が約7割、酸素が2割程ですから、組成が全く異なります。

また、二酸化炭素には熱をためこむ性質があります。この性質による温室効果のため、地球でも地球温暖化問題が話題となっています。

金星の大気はこの二酸化炭素を大量に含んでいるため、地球よりもはるかに温室効果が強く働き、その結果、表面温度が約460℃という大変な高温になってしまったと考えられています。このような温度の場所では、人間はとても生きていけません。

表面は深海並の大気圧

金星は大気の量が多く、その質量は地球の約100倍と考えられています。このため、地表での大気圧は90気圧にものぼります。

地球の地表では1気圧ですから、単純に90倍ということになります。これは、900mの海底にいるときの水圧と同じ圧力ということですので、この状況では人間はぺしゃんこになってしまいます。

このように、金星の表面は大気の影響によって過酷な環境となっており、とても生き物が生きていけるようには思えない状況なのです。

濃硫酸の厚い雲が星の輝きの原因

実は金星がわたしたちの目に明るく見える原因も大気にあります。

金星は濃硫酸の厚い雲でおおわれています。このため、外から地表を観測することが長いことできず、1990年頃、NASAの探査機・マゼランによって、ようやく地表の観測ができるようになりました。

この分厚い濃硫酸の雲は、太陽光の7割以上を反射しており、金星が明るく輝いて見えるのは、この反射した光が地球に届いているからなのです。

高速の風が吹いている!

金星には金星の自転の速度よりもずっと速いスピードで風が吹いています。地球のようにさまざまな方向に吹く風ではありません。

高度60kmでは秒速100mにもなるこの風は、自転と同じ方向に吹いています。このような現象のことを、スーパーローテーションと呼びます。

金星の自転周期は、地球の時間で換算すると、マイナス243日と言われています。日の出から、翌日の日の出まで117日かかってしまう計算です。

金星の1日はとても長いのです。このように、自転が遅い星では、通常風も遅く吹くのですが、金星では地面の60倍の速度で風が吹いているのです。

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日本の探査機「あかつき」の活躍に期待!

金星の過酷な環境は大気に大きな原因があります。

気温も気圧も高く、暴風もふき、硫酸の雲に覆われているなんて、金星へ移住なんてできそうもありません。サイズも近く似ているのに、地球とは全く異なる環境だということには、驚きですよね。

日本から打ち上げられた探査機「あかつき」は、金星の大気について観測をしています。つい先頃の2015年12月に金星の周回軌道に入ることに成功しました。スーパーローテーションなど、金星の大気現象のメカニズム解明につながる観測をおこなう「あかつき」、今後どんなニュースをもたらしてくれるか、楽しみですね!

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