マーズワンプロジェクトという言葉をご存知でしょうか。
マーズワンプロジェクトは、2011年に立ち上げられた、火星への移住計画のことです。さまざまな問題があるものの、最初のメンバーが火星に送り込まれる2024年に向けて、現在も着々と準備がすすめられています。
このプロジェクトでは火星へ送り込まれた人たちは、地球に帰ってくることは見込まれていないそうです。片道切符なんですね。わくわくする火星旅行の話でもありますが、もう地球に戻れないというのは何とも寂しいものです。
ところで、この火星までの片道切符。地球から火星までは、どうやって行く計画なのでしょうか。
スペースシャトルなら3ヶ月!
火星への交通手段は、もちろんロケット。現在は、燃料の化学反応によって発生するガスの噴射を推進力に利用した、化学ロケットが主流です。私たちがよく映像で目にする、人工衛星やスペースシャトルも、化学ロケットで打ち上げられています。
この化学ロケットを利用して火星に向かいます。ですが、単に真っすぐに向かうわけにはいきません。実は、化学ロケットは燃料を大量に使います。燃料のことを全く考えずに、思いっきり火星に向かって飛ぶと、どの程度の期間がかかるのでしょうか。
人工衛星やスペースシャトルが地球の周りを回っている速度で火星に向かう場合は、約3ヶ月程かかるようです。
そのためには巨大な燃料タンクが必要となり、その分積み荷を減らさなければならず、あまり現実的な方法ではありません。
片道旅行は燃料節約しつつ約8ヶ月で!
巨大な燃料タンクが必要というのはあまり現実的ではないということで、燃料の節約ができる方法を選ぶ必要があります。
そこで、「ホーマン軌道」というものを利用することになります。
ホーマン軌道は、地球が太陽にもっとも近くなる点と、火星が太陽からもっとも遠くなる点を通る楕円の軌道のことです。
この軌道を利用すると、火星までに到達するまでに必要な推進力を抑えることができ、燃料の量が抑えられる分、積み荷を増やすことができます。
化学ロケットを使い、ホーマン軌道を通って、燃料節約しながらの場合、火星に到達するまでには約8ヶ月ほどの日数がかかるだろうと言われています。とても長い期間ですよね!
この長期間を、狭い宇宙船の中で過ごさなければならないわけですから、肉体的にも精神的にも非常に過酷な旅となりそうです。
8ヶ月分もの食糧も持っていかなければならず、積み荷の量も、膨大なものでしょう。
ですから、火星へ人間を送りこむには、積み荷の量を減らすためにも、出来る限り短い期間である方がのぞましいのです。
新しいロケットの登場に期待!
そこで、現在開発されているのが、バシミールロケットです。
燃料ではなく、核融合によって推進力を得るエンジンを利用します。
このロケットを利用すると、火星までなんと約40日程で到達可能だと言われています
移動している間の生活のことも考えると、できる限り短期間で火星に到達してほしいものですよね。
このロケット開発について、良いニュースが聞ける日が楽しみですね!